「タウシュベツ川橋梁」と士幌線のお話

ネット上にはいろいろなサイトがありますが、最も詳しいかなと思うのはこちら。

・上士幌町観光協会の「かみしほろ観光情報」に、「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」
「NPO法人ひがし大雪アーチ橋友の会」 ※古い写真なども多くあります。

まずは、国鉄 士幌線(しほろせん)について簡単に知っておきましょう。
士幌線は、帯広市の帯広駅から上士幌町の十勝三股駅に至る78.3kmの路線でした。

帯広-上士幌間は…。
大正14年(1925) 帯広-士幌間 (30.1km)が新規開業。
大正15年(1926) 士幌-上士幌間 (8.3km) を延伸開業。

上士幌以北は、改正鉄道敷設法別表第141号に規定する「十勝國上士幌ヨリ石狩國「ルベシベ」ニ至ル鐡道」として建設され、当初は「ルベシベ(現上川町)」と帯広を繋げようという壮大な計画だったのです。

昭和10年(1935)11月26日 上士幌-清水谷間 (10.4km) を延伸開業。萩ヶ岡駅・清水谷駅を新設。
昭和12年(1937)9月26日 清水谷-糠平間 (10.3km) を延伸開業。糠平駅を新設。タウシュベツ川橋梁竣工。
昭和14年(1939)11月18日 糠平-十勝三股間 (16.9km) を延伸開業し全通。幌加駅・十勝三股駅を新設。

ちなみにこの沿線は、現在の音更町を母村とするエリアです。

音更町
・1901年(明治34年) - 音更外二村戸長役場が設置。
・1906年(明治39年)4月 - 音更村、然別(しかりべつ)村、東士狩(ひがししかり)村の3村と凋寒(しぼさむ)村、蝶多(ちょうた)村の2村の各一部が合併、二級町村制が施行され、音更村。
・1921年(大正10年)4月 - 音更村、東士狩村、凋寒村の3大字の各一部から川上村(現・士幌町、上士幌町)、大字東士狩村の一部から鹿追村(現鹿追町)を分村。
・1953年(昭和28年)7月 - 町制施行、音更町。

鹿追町
・1921年(大正10年)4月 - 音更村(現音更町)から分村、鹿追村。
・1959年(昭和34年)9月 - 鹿追町。

士幌町
・1921年(大正10年)4月 音更村(現音更町)から音更村、東士狩(ひがししかり)村、凋寒(しぼさむ)村の3大字の各一部が分村、川上村。
・1926年(大正15年)6月 川上村から士幌村に改称。
・1962年(昭和37年)11月 士幌町。

上士幌町
・1931年(昭和6年)4月 士幌村(現士幌町)から分村。上士幌村。
・1954年(昭和29年)4月 上士幌町。

士幌線は、帯広を出て音更町・士幌町・上士幌町の北十勝エリアを走る路線です。
帯広からしばらくは、十勝平野を行く田園列車の雰囲気ですが、あとは上る一方で糠平以北では最大25‰(パーミル=1000mの距離で25mの高低差)という急勾配もあり、貨車の暴走事故が何回もあったようです。
国道273号が開通したのは1972年ですが、それまでは最奥地の陸の孤島とも呼ばれた「十勝三股」へは道路もなく、鉄道が住民の生活を担っていたということですね。

士幌線の大きな出来事としては、糠平ダムの建設があります。
昭和30年(1955)に、発電用ダムの糠平ダムが建設され、ダム湖名「糠平湖(ぬかびらこ)」ができます。
旧線の清水谷-糠平-幌加間は、糠平湖の西岸を通る新ルートに変更され、糠平駅も移設されました。

旧線は、現在の国道から見ると対岸を走っていたことになります。
まずは、ここを頭に入れておかないと???になりかねません。
というのも、国道を糠平から三国峠に向かって走っているとして、左側に橋脚が見える場所が数か所ありました。
しかし、今回の目指す「タウシュベツ川橋梁」は右側のしかも糠平湖の対岸にあります。
ダムができる前の旧線である音更川の支流「タウシュベツ川」に架けられたのが「タウシュベツ川橋梁」です。

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たくさんのコンクリートアーチ橋が建設された士幌線ですが、士幌線の廃線後は多くが放置されていたようです。
廃線から10年後の1997年(平成9年)に国鉄清算事業団により解体計画が立案されましたが、地元有志の保存活動が実り、上士幌町が平成10年に34のアーチ橋と線路跡を取得する事になりました。
翌年には、「ひがし大雪アーチ橋友の会」が発足し、「鉄路再現事業」として線路の敷設・駅名標や信号機の設置、トロッコの走行などを行っています。

また、「北海道開発局」により、アーチ橋周辺の遊歩道や駐車場、案内標識などの整備が行われています。
ま、駐車場と言っても路側帯程度の駐車スペースですが、国道沿いに何ヵ所かありました。
下調べ無しでは判り難いと思いますが、「タウシュベツ」の文字が見えたので降りてみました。

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バーク(木の皮)がひかれ、ホカホカした道を少し歩きます。
↓冗談抜きの本気看板。

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本当に熊が出そうな雰囲気ですが、看板があるので少しは不安も紛れます。

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これが線路跡の遊歩道ですね。

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少し進むと何やら看板。

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この苔むした大木を見られるだけでもありがたい道です。

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さあぁ~いよいよ「展望広場」に到着です。

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「ひがし大雪高原鉄道」のトロッコに乗った時にスタッフの方が説明してくれましたが、今年の夏は糠平湖の水位は低いが、雨が降れば湖の水位はあっという間に変化するそうです。
ちなみにホームページには…。

3月~5月頃 ほとんど水位ゼロとなり、橋梁全体が見渡せる。
5月~6月頃 雪融け水が流入し徐々に水位を上げ、橋梁の下半分が水に覆われる。
6月~9月頃 さらに水位を上げ、7 - 9割が水に覆われて線路敷設部周辺のみが覗く。
9月~12月頃 大雨が降るなどすると、完全に水没することもある。
12月~3月頃 氷が張る。発電用に水を抜くため、日に日に水位(氷面)が下がり、氷面を突き破って橋梁が現れる。冬期は一貫して水位が下がっていく。

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とは言うものの、水無さ過ぎませんか?(笑)
ま、この季節に橋脚の足元まで見えたと喜ぶべきなのか…。

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対岸に何か動くものが…。熊ならラッキーと最望遠で撮ると人でした。
林道は一般走行不可で、ガイド付きのみ可。安全のためという名の大人の事情?

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すでに半世紀以上も時を経ているのに、木の切り株がまだたくさん残っているものなのですね。
こんな水位の低い時は、黒曜石ハンターもできそう。(笑)

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倒木更新。

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なのかどうかは分からないけど…。
そんな雰囲気で。

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ツルアジサイかな?

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現存する橋脚としては…。

・上士幌町字ぬかびら源泉郷
 三の沢橋梁
 五の沢橋梁 
 タウシュベツ川橋梁
 糠平川橋梁

・上士幌町字幌加
 第五音更川橋梁
 第六音更川橋梁

・上士幌町字黒石平
 第二音更川橋梁 
 第三音更川陸橋
 第四音更川橋梁

また十勝に行かなくっちゃ。

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