旭川市 「雪の美術館」 vol.2

入口から64段の螺旋階段で地下へ進むと、通路の左右がガラス張りの氷室になっている「氷の回廊」です。
1年中、氷点下以下のマイナスの世界に、人工でありつつも自然が作り上げる氷の造形があります。

地元としては「あ~涼しい」って感じですけど、雪の降らない地方にお住いの方々にとっては大感動なのかなぁ~と思います。



ふと思ったのですが、ガラス面に結露が無いでしょ?
「夏場の冷たい飲み物」をイメージしてください。グラスの外側には水滴が付きますよね。

この自然の現象は北海道の住宅においてとても重要視しなくてはいけないのです。
特に寒冷地の旭川では断熱性を高めるとともに気密性を高めないと、窓ガラスはもちろん「壁体内結露」つまり目に見えないところで結露をし、構造体を痛めたりカビの発生を招いたりしてしまいます。もちろん寒い家で暖房費も高い住宅になります。

ではこの回廊ですが、熱を通しやすいガラス面に結露が無いという事はガラス面の熱伝導率が低い。さらに壁体自体も断熱性が高い。そう思ったのですが少し違うようです。

「雪の美術館」の建設時には、「氷の回廊」でガラス越しに氷の造形をいかに見せるか。そのためにはガラスの結露を完封しなければならない。氷室内のマイナス10~20度に対し、通路部は夏場の服装でヒートショックを起こさないためプラス15~18度前後の設定が必要。

この氷室と回廊の温湿度を常時測定し調節し結露を防ぐ…。
そんな発想から試行錯誤の連続だったようです。

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具体的には、過去に例のない氷室と回廊との温湿度バランスの試験データを繰り返し蓄積。実験は3年以上。
氷の回廊の結露防止は「二重ガラス構造」に加え、ガラス面と廊下を空気で遮断するエアスクリーン(除湿再熱空調方式)の採用になったそうです。

入口から徐々に温度を下げ観客に清涼感を与える演出。集団見学の際には温度上昇を乾燥した冷気をガラス面周辺に吹き付ける事で解決。

ま、当時としてはかなり無謀な挑戦だったと思いますし、かなり高額な建築費だったことでしょう。

しかし、現代の北海道の住宅ではペアガラスは当たり前で、さらにトリプルガラスが主流になりつつあります。
さらに熱伝導率の低い高性能のガラスも、まだ次世代と言う感じですが開発されています。

つまり現代では価格的に当時の建築費の何割減になるのかは分かりませんが、かなり格安に同等の設備は作れると思います。
もちろん氷を作ったり維持したりのランニングコストも削減できるし、私はこの場所で「カビ臭」を感じましたがそれらも排除できるはずです。

ゴメンナサイね。こんな切り口で。
ただ、こんな高額(たぶん)な建物を建てられたという実績はスゴイと思います。
現金で建てたのか、借入で建てたのかは分かりませんが、実在しているという事実は本当にスゴイ。

ちなみに、↓のような色の画像をネットで多く見かけましたが、チョイと加工し過すぎかと…。

17070611.jpg

↑青を強めにイジッテマス。(笑)

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